PMSの最新情報

  • つわりが辛い方へ

    virus_oetsuみなさん、こんにちは。管理栄養士の石川です。PMS(月経前症候群)でお悩みの方で、妊娠を希望されている方はいらっしゃいますか?でも、つわりが出てしまうと辛いですよね。実は、ショウガを食べることでつわりの軽減につながるんです!今回は、つわりとショウガについてお伝えします。

     

    ■つわりとは
    つわり(妊娠悪阻)は妊娠5-6週から出現して、12-15週頃には消失します。卵巣の妊娠黄体(排卵後卵胞は黄体になります)や絨毛(赤ちゃんや胎盤の組織)から出てくるホルモンが、つわりを誘発しています。このホルモンは妊娠を維持するために非常に重要な役割を担っており、このホルモンが、子宮を大きく軟らかくし、赤ちゃんが育っていく環境を整えます。
    つわりの症状は、吐き気、嘔吐、嗜好の変化、胸やけなどです。1日のうち、調子のいい時間帯と、調子の悪い時間帯がありますが時期がくれば、必ず治ります。精神的な要因が強く作用し、ストレスで悪化するときがあり、一時的に入院することによって、改善することもあります。残念ですが、つわりに伴う吐き気・嘔吐をなおす安全なお薬はないそうです。
    全くつわりのないお母さんもいますし、つわりがひどくて軽いうつ状態に陥るお母さんもいます。しかし、つわりの程度と妊娠や赤ちゃんの状態とは無関係です。

     

    ■つわりにショウガ?
    イタリアの大学実験薬理学のBorrelli氏らによる論文でショウガ摂取がプラシーボ(偽薬)摂取に比べ、つわりの主症状である吐き気や嘔吐を抑える効果が高いことが明らかになっています。
    Borrelli氏らは、オーストラリアやデンマーク等、世界各国で行なわれた6つの臨床試験を分析・評価し、プラシーボ(偽薬)を摂取した人とショウガを摂取した人を比較しました。 その平均的なショウガ摂取量は、【1日あたりショウガ250mg×4回(生ショウガ換算で10g程度)、期間は8~20週間】でした。つまり、ショウガ10g程度を食べることで、吐き気や嘔吐を抑える効果が高いということです。
    胃腸に多く存在するセロトニンという神経伝達物質は、胃腸の筋肉を必要以上に収縮させる働きがあります。吐き気や嘔吐の原因は、このセロトニンの働きによるものです。ところが、ショウガの主要成分であるジンゲロール(gingerol)やショウガオール(shogaol)には抗セロトニン作用といって、過剰に分泌されたセロトニンの働きを抑える働きがあります。
    そのため、吐き気や嘔吐を起こしにくくすることができます。通常の「乗り物酔い」にも、ショウガ摂取が役立ちますので、「乗り物酔い」しやすい人は、是非、ショウガの効果を確かめてみてください。

     

    ■ショウガの安全性
    ショウガの安全性については、ショウガを適量摂取している限り、妊娠中のショウガ摂取がその後の妊婦や胎児の異常につながるといった副作用はないということです。
    昔からビタミンB6が、つわりを緩和するために点滴などに入れて使われますが、吐き気緩和に対するショウガの効果はビタミンB6よりも大きいとの報告があります。
    なお、ショウガとビタミンB6が吐き気や嘔吐を緩和する効果については、オーストラリアの西シドニー大学補完医療医学研究センターのSmith氏の解説(Evidence-Based Nursing 2010; 13(2): 40)で詳しく述べられています。

     

    ■つわりの時の食事のポイント
    『つわり』の時期を上手にすごすには、『空腹にしない、満腹にしない』ことです。頻回に少量ずつ(1日に10 回くらい食事をとりましょう)食事をして下さい。温かい食べ物、においのある食べ物は避けた方がよいでしょう。つわりの時期は、栄養分に神経質にならないように、食べられる物を食べましょう。香辛料などを上手に使うとよいかもしれません。
    海苔を巻いたり、梅干しを入れたりしたゴルフボールくらいの小さなおにぎりをつくっておきます。暇なとき、お腹がすいたときなどに1個ずつつまみましょう。寝る前、夜中に目が覚めたとき、朝起きたときに食べてみましょう。水を一気に飲むと、吐き気や嘔吐が強くなる時があります。水分の補給に、氷を使ってみて下さい。氷をなめながら、徐々に水分の補給をしてみて下さい。
    体重が減少したり、水分がとれなくなったりすると治療が必要です。また、肝炎などの病気が隠れているときがあります。電解質液や糖分の点滴をすれば、症状はかなり改善します。あまり我慢せず、つわりが強ければお医者様を受診してみて下さい。

     

    ■つわりの意味
    つわりは医学用語で『悪阻(おそ)』と呼ばれています。広辞苑には、『妊婦が妊娠2-4カ月ころに、悪心(おしん:むかつき)・吐き気・食欲不振を起す状態。』と記されています。しかし、『芽ぐむこと』と云う意味もあると記載されています。新たに育まれつつある生命の芽ぐみであり、その芽ぐみが発する初めての信号です。
    むかつき、吐き気などは苦しいものです。それを経験した女性にしか理解できません。つわりを経験するから母と子の結束(結託)が強まるのです。

     

    つわりが出ていらっしゃる方は大変ですが、ショウガを食べ、乗り越えていきましょう。
    生姜紅茶や生姜湯もおすすめです。3adf6467487dea796088ea058453d37f_s


     

    参考資料
    「【第52節】「つわり」症状の緩和にショウガが有効!」 食品医学研究所
    http://syouga.h-and-w.jp/index.php?page=3

    「つわり(妊娠悪阻)の上手な過ごし方」大津市民病院
    http://www.municipal-hospital.otsu.shiga.jp/html/jyusin/01_17_01.html